誤解を解く:リサイクルPETは耐熱食品包装にも使える
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、その透明性、強度、バリア性、そして加工のしやすさから、広く使用されている熱可塑性ポリマーです。飲料ボトル、食品容器、包装フィルムなどに多く使われており、PETの最も大きな利点のひとつはリサイクル性にあります。PETは新たな製品へと再利用が可能で、廃棄物の削減や資源の節約を通じて循環型経済に貢献します。
しかし残念ながら、非晶質(アモルファス)PETは高温に弱いという特性があります。
なぜPETは見落とされがちなのか?
PETは広く使われているにもかかわらず、高温の食品用途ではあまり選ばれません。その理由は、高温の製品を充填したり接触したりすると、PETは簡単に変形してしまうからです。
たとえば「ホットフィル包装」は、製品を高温で容器に充填することで殺菌し、保存期間を延ばす方法です。また、コーヒーカップのフタのような熱のかかる食品・飲料包装材は、熱い内容物に接しても変形せず、機能を失わないことが求められます。
これらの用途にはこれまでポリプロピレン(PP)やポリスチレン(PS)が使用されてきましたが、これらはリサイクルが非常に困難であり、市場ニーズやPPWRの要件に応えるのが難しくなってきています。
そこで登場するのがAkestra™**です。
rPETでも高温対応が可能に
Akestra™は、PETに積層することで耐熱性を付加する革新的なポリエステルで、最大95℃までの高温用途にも対応可能になります。しかも、Akestra™を使ってもPETのリサイクル性は維持されます。
これはまさに一石二鳥。PPやPSのような耐熱性を備えながら、大量リサイクルが可能という大きな利点を持ち、包装業界にとって商業的にも有望な代替素材となっています。
TCEPの承認を取得
Akestra™ 100および110は、トレーtoトレーの透明PETリサイクル工程においてTCEPの承認を受けています。これは、Akestra™が循環型経済に貢献し、PPWR規制に対応したい包装メーカーにとって理想的な選択肢であることを意味します。
デザイン性と用途の多様性
Akestra™は最大95℃の高温プロセスに対応できるよう設計されており、幅広い用途に使用可能です。また、ガラスのような透明性と高剛性により、見た目が美しく、構造的にも丈夫な薄肉包装材に最適です。さらに、不透明なカラー展開にも対応しており、デザイン面でも自由度が高いのが特長です。
リサイクル材の調整と排出量の最小化
Akestra™をベースにしたホットフィル対応食品包装ソリューションでは、最大90%の再生プラスチック(PCR)使用が可能で、ライフサイクル全体で最大70%の温室効果ガス排出削減が見込めます。ユニークなのは、rPETとバージンPET(vPET)の割合や品質を顧客自身が調整可能な点で、コストと再生材使用率の最適化が可能になります。
Akestra™の導入により、「PETは熱い食品用途には使えない」という懸念がなくなります。PETのリサイクル性を損なうことなく耐熱性を高めることで、Akestra™は薄肉食品包装業界にとって持続可能で将来性のあるソリューションを提供します。
Akestra™とその利点についてさらに詳しく知りたい方は、当社のウェブサイトをご覧ください。