原料における技術革新

潤滑油製造に使用される原料のイノベーションの現状

潤滑油原料の革新について話す時、潤滑油の実際の性能が決して損なわれるべきではないこと、逆に潤滑油の革新は、利用すること自体ですでにある付加価値を高めるべきであることを忘れてはなりません。潤滑油がなければ、世界のエネルギー消費量は倍増し、機械部品は常に磨耗し、あるいは動かなくなるでしょう。例えば、潤滑油がなければ、衣服の素材である繊維の加工はできません。従って、どんな技術革新も、現在のものと同等か、それ以上のものでなければならないのです。

バイオベースの潤滑剤は、従来の鉱物系潤滑剤よりも優れた特性を示すことが分かっており、再生可能性や生分解性の点で最も優れています。近年、合成潤滑油製造のための新しいバイオベースの原料を開発し、それに特化する企業が、特に米国で成功を収めています。このような意味合いにおいて、イノベーションについて議論することは、140年の歴史を持つパーストープのような化学会社にとっては、困難なことかもしれません。私たちのイノベーションの多くは、60年以上の歴史を持っています。主力製品のひとつであるペンタエリスリトールは、1880年代に開発され、1960年代から当社で生産されています。つまり、ポリオールエステルのような多様な用途に使用され続けている安定かつ必須化学物質を製品群に持つ一方で、パーストープが「古い」分子で革新性を発揮することにジレンマがあるのではないかと疑問に思われるかもしれません。答えは「ノー」です。私たちは決してイノベーションを止めることはありません。

潤滑油について考えるとき、Perstorpのような川上の化学会社が影響を与えるイノベーションには、直接的なものと間接的なものの2つの分野があります。1つ目は、原料の生産における技術革新です。一例としては、2010年にVoxtarを上市しました。最初は再生可能な成分であるバイオアセトアルデヒドを含むペンタエリスリトールで、後にバイオアセトアルデヒドとバイオメタノールを含む完全に再生可能なペンタを上市しました。つまり、バージン化石原料を置き換え、製品のカーボンフットプリントを低減させました。このイノベーションは、単独で起こったのではなく、ベストの持続可能な原材料を求め、生産、一次製品と副生成品の使用と再利用の最適化に絶えず取り組んできた当社の歴史に根ざしているのです。今日Project Airとしてこうした取り組みを継続しており、このプロジェクトの稼働が開始すれば、ヨーロッパにおいて再生可能かつ二酸化炭素排出量の少ない製品製造に必要な原料であるサステナブルメタノールの供給が確保されます。

2つ目の革新分野は当社の製品、すなわち合成エステルの構成要素として使用される酸とアルコールに関するものです。この用途には、当社の製品がポリオールエステルメーカーのツールボックス・ソリューションとして機能していると考えています。ポリオールエステル化学はとても応用範囲が広く、潤滑油やグリースの特定の要件に合わせてエステルを調整することができます。その代表的なものとしては、粘度調整です。つまり、ポリオールエステルの技術革新は、最終用途の要件を特定するところから始めることで可能になります。バリューチェーンを理解し、お客様のニーズを明確にすることで、目的と性能の要求を満たす革新的なソリューションを提供し続けることができるのです。

サステナブルな原材料に関して、バイオベースへの当社のアプローチについてよく質問されます。
農業における新規最終市場の創造を使命とするUSDA (アメリカ農務省)のバイオプリファード・ プログラムなど、バイオベース原料の推進要因を念頭に置いておくことが重要です。また、健康・化粧品業界からは、バイオベースの素材への要求がその推進力となっています。しかし、その素材を入手することが人権や環境保護を侵害するものであってはなりません。ここでは、トレーサビリティと透明性を確保することが重要です。バイオ素材の中には、森林破壊や生物多様性の破壊を理由に、EUでパーム油の使用が禁止されるなど、すでに規制がかかっているものもあります。乾燥した山間部に近い場所でも栽培が可能で、農家に機会をもたらすという点で、キャノーラははるかに優れた選択といえるでしょう。しかし、いくら‘素晴らしい植物‘といえども、社会が必要とする潤滑油の原料のすべてをキャノーラでまかなうことはできません。

パーストープは、バイオベースについて訴求することもありませんし、また当社のPro-environment製品をバイオベースとして市場に出してません。ただし、私たちはバイオマスを原材料の起源として利用しています。しかしながら、いかなる単一原料も、過剰に使用され、枯渇したり、人や環境に負担をかけて生産されるリスクを含んでいるため、パーストープは、有限資源の再生化を目指し、より包括的なマスバランスの考え方を取り入れています。このアプローチにより、ISCC PLUSにより管理・認証された方法で、ビーツの茎や トウモロコシなどの第一世代バイオマスや有機廃棄物などの第二世代バイオマスなど、さまざまな 再生可能・リサイクル可能な資源を利用することができます。これにより、安定供給が保証され、1分子ごとに「ブラックな」バージン化石炭素を再生可能な炭素に切り替えることができるのです。原材料が持続可能で有限ではなく、製造も含めて二酸化炭素排出量が低く、また虚偽の表示をしないように原材料とプロセスをトレースし算出できる限り、パーストープは持続可能な川下のバリューチェーンと将来の循環型バリューチェーンを実現する事業に従事します。ISCC PLUS認証を取得し、ISCC PLUS認証原料のみを使用することは、森林破壊のないサプライチェーンや人権・労働基準・土地権利の遵守など、バリューチェーン全体を通じて社会的・環境的な持続可能性基準を満たすことをパーストープが保証するのにも役立ちます。

バリューチェーンにおけるパートナーは、決してサプライヤー以上に環境にやさしい存在ではないということを心に留めておいてください。

 

 

Elisa Swanson-Parbäck

Global Marketing Director Engineered Fluids

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